江戸の衝撃を体験 「大浮世絵展」会場レポート(東京都江戸東京博物館)

歌麿、写楽、北斎、広重、国芳…夢の競演が実現

 「大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」が2019年11月19日(火)より東京都江戸東京博物館(両国)にて開催中。全国3会場で約38万人が観覧、浮世絵ブームを作り出した2014年の「大浮世絵展」に続く本展は今回は人気絵師・喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳の5人にフォーカスし「誰もが知っており、そして誰もが見たい」展覧会。 編集部では開幕に先だって行われた報道向け内覧会を取材しました。

  • 取材協力:東京都江戸東京博物館さま
  • 会場内の写真は全て報道内覧会にて編集部の撮影によるもの
  • 記事中の画像及び文章の転載及び引用を全て禁止します。

会場レポート

 国内外で現在もっとも人気のある歌麿、写楽、北斎、広重、国芳。各絵師のエッセンスであるジャンルに絞り、誰もが見たことのある作品が並び、各絵師の展覧会5つが、一堂に会したような豪華な展覧会です。

 浮世絵は保存状況により、作品状態に大きな差が出ます。本展は国際浮世絵学会の監修のもと、国内外の優品を集めたというのも大きな特徴。作品保護のため会期中にかなり複雑な展示替えが行われます。ある意味その恩恵で、同じ作品でも所蔵館違いのものを見比べることができるという非常に貴重かつ稀有な鑑賞体験が可能です。

展示解説をする東都江戸東京博物館 学芸員の 小山周子氏

 例えば東洲斎写楽の「市川鰕蔵の竹村定之進」はメトロポリタン美術館所蔵のものが11月19日(火)~12月8日(日)まで、ボストン美術館所蔵のものが12月17日(火)~2020年1月19日(日)の展示となりますが、11月19日(火)~12月15日(日)の期間は東京都江戸東京博物館所蔵の作品も展示されます。「それぞれの所蔵作品を見比べることで、摺りや着物の色の微妙な違いなど、東洲斎写楽の試行錯誤や工夫を感じてもらえれば」と小山周子・東都江戸東京博物館 学芸員。

 東洲斎写楽は寛政6年5月に28枚の作品を一気に発表しました。役者の醜い場面も如実に描写することで一躍江戸の話題をさらいますが、本展にはその28枚中27枚が展示され、当時の江戸の衝撃を体感することができます。

写真中央の作品:歌川国芳 「宮本武蔵の鯨退治」 江戸時代/弘化4年(1847)、大判錦絵3枚続 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)

 小山学芸員よると、本展は2014年に東京都江戸東京博物館にて開催された展覧会の第二弾という位置づけ。前回は浮世絵の通史を紹介するものでしたが、本展では5人の絵師にフォーカスする方向で大きく舵を切ったということです。喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重さらに、近年若い人に人気の歌川国芳という浮世絵を変革した5人による 華やかな作品達。お正月にかかるこの会期にふさわしい「見逃せない」展覧会となりそうです。


作品紹介

喜多川歌麿

  • [左] 喜多川歌麿 「婦女人相十品 ポペンを吹く娘」 江戸時代/寛政4-5年(1792-3)頃、大判錦絵 メトロポリタン美術館蔵 Image Copyright ©The Metropolitan Museum of Art / Image source: Art Resource, NY 展示期間:2019年12月3日~12月22日(東京会場)
  • [中] 喜多川歌麿 「当時三美人」 江戸時代/寛政5年(1793)頃、大判錦絵 ギメ東洋美術館蔵  Photo ©RMN-Grand Palais (MNAAG, Paris) / Harry Bréjat / distributed by AMF 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)
  • [右] 喜多川歌麿 「難波屋おきた」江戸時代/寛政5年(1793)頃、大判錦絵 ミネアポリス美術館蔵 
    Photo:Minneapolis Institute of Art 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)

東洲斎写楽

  • [左] 東洲斎写楽 「3代目大谷鬼次の江戸兵衛」 江戸時代/寛政6年(1794)5月、大判錦絵 ベルギー王立美術歴史博物館蔵 Royal Museums of Art and History,Brussels 展示期間:2019年11月19日~12月8日(東京会場)
  • [中] 東洲斎写楽 「市川鰕蔵の竹村定之進」 江戸時代/寛政6年(1794) 5月 、大判錦絵 ボストン美術館蔵 Photograph ©2019 Museum of Fine Arts, Boston 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)
  • [右] 東洲斎写楽 「4代目岩井半四郎の重の井」 江戸時代/寛政6年(1794) 5月 、大判錦絵 メトロポリタン美術館蔵 Image Copyright ©The Metropolitan Museum of Art / Image source: Art Resource, NY 展示期間:2019年12月17日~2020年1月5日(東京会場)

葛飾北斎

  • [左] 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 江戸時代/天保2-4年(1831-33)頃、大判錦絵 ミネアポリス美術館蔵 Photo:Minneapolis Institute of Art 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)
  • [右] 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 凱風快晴」江戸時代/天保2-4年(1831-33)頃、大判錦絵 東京都江戸東京博物館蔵 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)

歌川広重

  • [左] 歌川広重 「東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪」 江戸時代/天保5-7年(1834-36)、大判錦絵 ミネアポリス美術館蔵 Photo:Minneapolis Institute of Art 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)
  • [右] 歌川広重 「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」 江戸時代/天保5-7年(1834-36)頃、大判錦絵 東京都江戸東京博物館蔵 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)

歌川国芳

  • [上段左] 歌川国芳 「宮本武蔵の鯨退治」 江戸時代/弘化4年(1847)頃、大判錦絵3枚続 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)
  • [上 段右] 歌川国芳 「其まヽ地口猫飼好五十三疋」 江戸時代/嘉永元年(1848)頃、大判錦絵3枚続 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)
  • [下段] 歌川国芳 「相馬の古内裏」 江戸時代/弘化2-3年(1845-46)、大判錦絵3枚続 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)

東京会場(東京都江戸東京博物館)について

※休館日、観覧料等詳細については展覧会HPをご確認ください。

  • 展覧会名:大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演
  • 会期:2019年11月19日(火)~2020年1月19日(日) ※会期中展示替えあり
  • 会場:東京都江戸東京博物館 1階 特別展示室
  • 展覧会HP:https://dai-ukiyoe.jp/

巡回情報

本展は2019年11月19日(火)から2020年1月19日(日)までの東京都江戸東京博物館での開催の後、福岡(福岡市美術館、2020年1月28日(火)~3月22日(日)の期間開催)、愛知(愛知県美術館、2020年4月3日(金)~5月31日(日)の期間開催)へ巡回します。

福岡会場

  • 福岡市美術館
  • 2020年1月28日(火)~3月22日(日)

愛知会場

  • 愛知県美術館
  • 2020年4月3日(金)~5月31日(日)

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