[会場レポ]「ハマスホイとデンマーク絵画」(東京都美術館)

デンマーク絵画の心やすらぐ展覧会

 展覧会「ハマスホイとデンマーク絵画」が、東京都美術館にて開催中です。期間は3月26日(木)まで。

 身近な人物の肖像、風景、そして静まりかえった室内――限られた主題を黙々と描いたデンマークを代表する画家ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)。17世紀のオランダ絵画に影響を受け、静謐な室内表現を特徴とすることから“北欧のフェルメール”とも評される画家は、1990年代以降、パリのオルセー美術館やニューヨークのグッゲンハイム美術館などで次々と回顧展が開催され、再び脚光を浴びています。日本でも2008年に展覧会が開かれ、国内の美術ファンに強い印象を残しました。編集部では開幕に先だって開催された報道内覧会を取材しました。

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  • 2020-01-21 報道内覧会より会場の様子を追加、会場の写真は編集部撮影によるもの。

会場レポート

 2008年の展覧会から約10年を経て、”北欧のフェルメール”と呼ばれるハマスホイの作品が再び日本に集結します。本展では、ハマスホイの作品約40点に加え、”デンマーク絵画の黄金期”と呼ばれる19世紀前半の絵画、スケーイン派の美しい作品、世紀末の首都で活躍した画家たちの作品など、魅力あふれるデンマーク絵画を日本で初めて本格的に紹介されます。

 会場の冒頭に壁面にディスプレイされたライナー・マリア・リルケの言葉がこの展覧会の全てを物語ると言っても過言ではないでしょう。

 ハマスホイが度々モチーフとした室内をイメージした窓風のパテーションにも注目。

 本展覧会の音声ガイドのナビゲーターは宮沢りえさんが担当。

落ち着いた色調の展覧会限定グッズも魅力

 展覧会図録(2,273円+税)の他、トーンを落としたシックな限定グッズの数々にも注目。グレー基調のトートバック(1,200円+税)もおすすめです。

 会場出口にはピンズ(300円)のガシャポンが。展覧会のイメージに合わせたデザインで落ち着いた感じがとても印象的。

 会場出口にあるフォートスペース。


作品紹介と展覧会みどころ

”北欧のフェルメール”、再び東京へ

  • [左] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《室内》 1898年 スウェーデン国立美術館蔵 Nationalmuseum, Stockholm / Photo: Nationalmuseum
  • [右] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《カード・テーブルと鉢植えのある室内、ブレズゲーゼ25番地》 1910-11年 マルムー美術館蔵 Malmö Art Museum, Sweden
  • [左] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《寝室》 1896年 ユーテボリ美術館蔵 Gothenburg Museum of Art, Sweden 🄫 Photo: Hossein Sehatlou
  • [中] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》 1910年 国立西洋美術館蔵 〔東京展のみ出品〕
  • [右] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《背を向けた若い女性のいる室内》 1903-04年 ラナス美術館蔵 © Photo: Randers Kunstmuseum
  • [上] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《画家と妻の肖像、パリ》 1892年 デーヴィズ・コレクション蔵 The David Collection, Copenhagen
  • [下] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《若いブナの森、フレズレクスヴェアク》 1904年 デーヴィズ・コレクション蔵 The David Collection, Copenhagen
  • [左] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《農場の家屋、レスネス》 1900年 デーヴィズ・コレクション蔵 The David Collection, Copenhagen
  • [右] ヴィルヘルム・ハマスホイ 《室内―開いた扉、ストランゲーゼ30番地》 1905年 デーヴィズ・コレクション蔵 The David Collection, Copenhagen

”幸福の国”デンマークが生んだ、心あたたまる名画。

 国連の「世界幸福度ランキング」に何度も1位に輝くデンマーク。そのデンマーク人が大切にしているに価値観に”ヒュゲ”(hygge)というものがあります。これは”くつろいだ、心地よい雰囲気”といった概念で、暖かい部屋で家族や親しい友人と食事を楽しんだり、キャンドルをともして誕生日をお祝いするといった、ほっこりとした幸せな雰囲気を表す、デンマークのライフスタイルを語る上で欠かせないキーワードでもあります。
 19世紀末デンマークの画家たちが描き出した北欧の美しい自然やそこで暮らす人々、プライベートな空間でくつろぐ家族など、”何気ない日常に隠れたささやかな幸福”のイメージにはこの”ヒュゲ”が息づいています。

  • [左] ピーザ・スィヴェリーン・クロイア 《スケーイン南海岸の夏の夕べ、アナ・アンガとマリーイ・クロイア》 1893年 ヒアシュプロング・コレクション蔵 © The Hirschsprung Collection
  • [中] クレステン・クプゲ 《パン屋の傍の中庭、カステレズ》 1832年頃 ニュー・カールスベア彫刻美術館蔵 Ny Carlsberg Glyptotek, Copenhagen / © Photo: Ole Haupt
  • [右] ピーダ・イルステズ 《ピアノに向かう少女》 1897年 アロス・オーフース美術館蔵 ARoS Aarhus Kunstmuseum / © Photo: Ole Hein Pedersen
  • [左] ヴィゴ・ヨハンスン 《春の草花を描く子供たち》 1894年 スケーイン美術館蔵 Art Museums of Skagen
  • [右] ヴィゴ・ヨハンスン 《きよしこの夜》 1891年 ヒアシュプロング・コレクション蔵 © The Hirschsprung Collection

展覧会概要

東京会場

  • 会期:2020年1月21日(火)~3月26日(木)
  • 会場:東京都美術館(上野公園)
  • 主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館 、読売新聞社
  • 後援:デンマーク大使館
  • 協賛:大日本印刷
  • 展覧会公式サイト:https://artexhibition.jp/denmark2020/

山口会場

  • 2020年4月7日(火)-6月7日(日) 山口県立美術館

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