ゴッホの人生を変えた2つの出会いとは 「ゴッホ展」みどころ

「ゴッホ展」今年10月から上野の森美術館、来年1月からは兵庫県立美術館で開催

  • 最終更新:2019年8月05日:ページをリニューアル
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本展チラシ

 上野の森美術館にて、2019年10月11日(金)より「ゴッホ展」が開催されます。
  鮮やかな色彩と勢いのある筆づかいで、今も世界中から愛されている画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90)。 37年の生涯のうち 画家として活動したのはわずか10年にすぎません。その短い画業にも関わらず、唯一無二の表現を獲得しえた背景には「ハーグ派」、そして「印象派」との、人生を変えた大きな2つの出会いがありました。
 展覧会では約40点のゴッホ作品に加え、マウフェやセザンヌ、モネなど「ハーグ派」と「印象派」を代表する巨匠たちの作品約30点、さらにファン・ゴッホが手紙の中で語った言葉を交えながら、ゴッホが独自の画風にたどり着くまでの過程を掘り下げて紹介します。また、本展は2020年1月25日(土)~3月29日(日)に兵庫県立美術館(神戸市)でも開催されます。

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展覧会みどころ

「ハーグ派」「印象派」 ─ ゴッホの人生を変えた2つの出会いに焦点

 ゴッホは27歳の頃に画家を志し、当初はオランダで「ハーグ派」と交流しながら、暗い色彩で農村風景や静物などを描いていました。目にした風景や事物をデッサンし、それを元に抒情的な光景を描く彼らから、ゴッホは画家としての基礎を身につけます。
 その後、パリに出たゴッホは「印象派」と出会い、鮮やかな色づかいが生む効果に驚き、独自の作風を確立していきます。
 本展は「ハーグ派」「印象派」との2つの出会いにより、ゴッホ独自の画風がどのようにして生まれたのかを明らかにします。

第一部 ハーグ派に導かれて

  • [左] フィンセント・ファン・ゴッホ 《疲れ果てて》 1881年9-10月 ペン、水彩・紙 23.4×31.2cm
    P. & N. デ・ブール財団 © P. & N. de Boer Foundation
  • [中] フィンセント・ファン・ゴッホ 《農婦の頭部》 1885年4月 油彩・カンヴァス 46.4×35.3cm
    スコットランド・ナショナル・ギャラリー © National Galleries of Scotland, photography by A Reeve
  • [右] フィンセント・ファン・ゴッホ 《ジャガイモを食べる人々》 1885年4-5月 リトグラフ、インク・紙 26.4×32.1cm
    ハーグ美術館 © Kunstmuseum Den Haag

 ジャン=フランソワ・ミレーなど巨匠たちの作品を模写し、素描の手引書を読むなどしていたファン・ゴッホは、ハーグ派の画家たちとの出会いによって専門的な技術を習得しました。
 1881年末から2年ほどを当時の芸術の中心地ハーグで過ごし、特に親戚で画家のアントン・マウフェからは、形態や量感のつかみ方、画材の扱いなどを直接手ほどきされています。また、風景やなにげない日々の暮らしの様子を戸外で描いた彼らにならい、モティーフに対する真摯なとりくみの姿勢を学びました。その画家としての大切な姿勢はファン・ゴッホの中に残り続けます。

  • [左] フィンセント・ファン・ゴッホ 《陶器と洋梨のある静物》 1885年9月 油彩・カンヴァス 33.5×43.5cm
    ユトレヒト中央美術館 © Centraal Museum Utrecht/Ernst Moritz
  • [中] アントン・マウフェ 《4頭の牽引馬》 制作年不詳 油彩・板 19.5×32cm
    ハーグ美術館 © Kunstmuseum Den Haag
  • [右] テイス・マリス 《出会い(仔ヤギ)》 1865-66年頃 油彩・板 14.8×19.7cm
    ハーグ美術館 © Kunstmuseum Den Haag

第二部 印象派に学ぶ

  • [左] ポール・セザンヌ 《オワーズ河岸の風景》 1873-74年 油彩・カンヴァス 73.5×93.0cm
    モナコ王宮コレクション © Reprod. G. Moufflet/Archives du Palais de Monaco
  • [中] カミーユ・ピサロ 《ライ麦畑、グラット=コックの丘、ポントワーズ》 1877年 油彩・カンヴァス 60.3×73.7cm 
    静岡県立美術館
  • [右] クロード・モネ 《クールブヴォワのセーヌ河岸》 1878年 油彩・カンヴァス 50.5×61cm
    モナコ王宮コレクション © Reprod. G. Moufflet/Archives du Palais de Monaco

 1886年の2月、ファン・ゴッホは弟テオをたよってパリに行きます。ここでは同年10月に第8回印象派展が開催され、カミーユ・ピサロやエドガー・ドガに加え、ポール・ゴーギャンやジョルジュ・スーラなど後にポスト印象派と呼ばれることになる若手の画家たちが参加していました。
 ファン・ゴッホは彼らとともに制作をし、展示を行うなど交流を深める中でその作風を取り入れていきます。特に原色を対比させた明るい色遣いと、筆触の跡をはっきりと残す描き方は、その後のファン・ゴッホの道を決定的に方向づけました。しかし彼は、ただ印象派を受け入れたのではなく、新たな技術を身につけることで、自分自身の欲求のまま自由に描くことを望みました。
 2年後に南仏に移動すると、麦畑や糸杉、オリーヴの木に魅せられ、それらをくり返し描きます。太くうねるような輪郭線、幾重にも原色を重ねた筆遣いによってほかに類の無い、ファン・ゴッホだけの芸術をつくりあげました。

  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《糸杉》 1889年6月 油彩・カンヴァス 93.4×74cm
    メトロポリタン美術館
    Image copyright © The Metropolitan Museum of Art.
    Image source: Art Resource, NY

  • [左から1番目] フィンセント・ファン・ゴッホ 《パリの屋根》 1886年春 油彩・カンヴァス 45.6×38.5cm
    アイルランド・ナショナル・ギャラリー © National Gallery of Ireland
  • [左から2番目] フィンセント・ファン・ゴッホ 《タンギー爺さんの肖像》 1886-87年冬 油彩・カンヴァス 45.5×34cm
    ニュ・カールスベア美術館 © Ny Carlsberg Glyptotek, Copenhagen Photo: Ole Haupt
  • [左から3番目] フィンセント・ファン・ゴッホ 《アニエールのボワイエ・ダルジャンソン公園の入口》 1887年春 油彩・カンヴァス 54.6×66.8cm
    イスラエル博物館 Photo © The Israel Museum, Jerusalem by Elie Posner
  • [左から4番目] フィンセント・ファン・ゴッホ 《麦畑》 1888年6月 油彩・カンヴァス 50×61cm
    P. & N. デ・ブール財団 © P. & N. de Boer Foundation

ゴッホ展

  • 展覧会公式HP:http://go-go-gogh.jp/
    • ※チケット情報他、詳細については展覧会公式HPをご確認下さい。

東京会場:上野の森美術館

  • 会期:2019年10月11日(金)~2020年1月13日(月・祝)
    • ※12月31日と1月1日は休館
  • 会場 : 上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
  • 開館時間 : 9時30分~17時
    • ※金・土曜は20時まで、入場は閉館の30分前まで

兵庫会場:兵庫県立美術館

  • 会期:2020年年1月25日(土)~3月29日(日)
    • ※月曜休館(月曜が祝祭日の場合は開館、翌火曜休館)
  • 会場 : 兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1)

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