「ハプスブルク展」会場レポ・【二人のマルガリータ王女に会いに行く】(国立西洋美術館)

「ハプスブルク」展が開幕(国立西洋美術館)

 展覧会「日本・オーストリア友好150周年 ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」が 国立西洋美術館 にて2019年10月19日(土)より開催中です。13世紀末にオーストリアへ進出後、数世紀にわたりヨーロッパの中心に君臨し続けたハプスブルク家の人々は、豊かな財とネットワークを生かし、質量ともに世界屈指のコレクションを築いたことでも知られています。本展はハプスブルク家のコレクションの歴史そのものを軸として構成、同家の人々や歴史の紹介を織り交ぜながら、時代ごとの収集の傾向などについても紹介します。

 また、本展ではウィーン美術史美術館の協力のもと、絵画、版画などの美術作品の他、日本では公開されることが少ない武具なども展示され、 実に全体の7割近くが日本初公開となる大規模な展覧会です。 編集部では開幕に先立って行われたプレス内覧会を取材してきました。

  • 記事中の写真は全てプレス内覧会にて編集部による撮影。
  • 記事中の画像、文章の転載及び引用を全て禁止します。

関連記事:あわせてどうぞ

  • 本記事では会場の展示風景を中心に紹介しています。下記特集記事では作品画像を大きく30点ほど掲載しています。

会場レポ

圧巻の甲冑

 最初の大きな展示室に入ると、すぐに目に入ってくる4体の甲冑に圧倒されます。

 徒歩槍試合用の甲冑。腰の部分をスカートのような形状にすることで足が動かしやすくなっています。

  • イェルク・ゾイゼンホーファー(甲冑)およびハンス・ベルクハマー(エッチング)《徒歩槍試合用甲冑、オーストリア大公フェルディナント2世の「鷲の紋章つき甲冑セット」より》 インスブルック 1547年 ウィーン美術史美術館

二人の王女

 「3章 コレクションの黄金時代:17世紀における偉大な収集」に《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》が展示されています。ディエゴ・ベラスケスの晩年の傑作として有名なこの作品ですが、右側にもう1点、同じ構図のマルガリータ王女の肖像が展示されています。こちらはフアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソによるもので、青ではなく緑のドレスを着ており、出品リストによると両者とも同じ時期の制作。ベラスケスのものが1659年、マルティネスのものが1659年「頃」とあります。

  • [画面左側] ディエゴ・ベラスケス 《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》 1659年 ウィーン美術史美術館
  • [画面右側] フアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソ 《緑のドレスの王女マルガリータ・テレサ》 1659年頃 ブダペスト国立西洋美術館

 近年まで、この緑のドレスを着た王女の肖像画はベラスケスによるものとされて来ましたが、1923年にウィーンの宮殿ホーフブルクに保管されていたコレクションより、青いドレスを着た肖像画が発見され、こちらがベラスケスが制作したものとわかったということです。

 なお、《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》 については見どころ紹介記事の方で大きい画像を掲載しています。

ハイライトの一つ、マリー・アントワネットの肖像画

 マリー・アントワネットお気に入りの宮廷画家であるヴィジェ=ルブランによる作品で、政略結婚によりフランスに嫁いだマリー・アントワネットを描いたもの。画面右には夫であるルイ16世の胸像が高い台座の上に掲げられています。悲劇の王妃として語られるマリー・アントワネットですが、この時代のファッションリーダー的存在でもありました。

  • [画面中央]マリー・ルイーズ・エリザベト・ヴィジェ=ルブラン 《フランス王妃マリー・アントワネットの肖像》 1778年  ウィーン美術史美術館

ミュージアムショップ

非常に豪華な装丁の展覧会公式図録は2,800円

編集後記(記者の感想等)

 サイズの大きい絵画作品であっても、目の高さに展示されており、また、かなり近づいて鑑賞できるように展示されています。西洋美術館の高い天井とあいまって非常に贅沢な気分で個性的なプリンス・プリンセス達に想いをはせることのできる展覧会です。内覧会に参加したマスコミの人数からも、やはり会期中は混雑が予想されますが、金曜・土曜は遅い時間(20時まで、入館は30分前まで)まで開館していますし、ぜひ写真だけでは伝わらない貴族の豪華な世界を楽しんでいただきたいです。

開催概要

  • 展覧会名:日本・オーストリア友好150周年記念 ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史
  • 会期:2019年10月19日(土)~2020年1月26日(日)
  • 会場: 国立西洋美術館(東京・上野公園)
  • 開館時間:9:30-17:30(金・土曜日は20:00まで。ただし、11月30日[土]は17:30まで) 入館は閉館の30分前まで
  • 休館日:毎週月曜日(ただし祝日の11月4日、1月13日は開館)、11月5日(火)、12月28日(土)〜1月1日(水・祝)、1月14日(火)
  • 展覧会公式サイト:http://habsburg2019.jp

Amazon

ミュージアムショップでも販売中、「ハプスブルクぴあ」
ハプスブルクぴあ (ぴあ MOOK)
  • ぴあ
  • 価格  ¥ 1,430
  • 販売者 Amazon.co.jp