[みどころ紹介]「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」(国立新美術館)

「古典✕現代2020 ー 時空を超える日本のアート」2020年3月11日(水) より

  • ポスタービジュアル

いままでにない組み合わせと新しい試み

 展覧会 「古典✕現代2020ー時空を超える日本のアート」が2020年3月11日(水)より6月1日(月)までの期間、国立新美術館にて開催されます。本展は古い時代の美術と現代美術の対比を通して日本美術の豊かな土壌を探り、その魅力を新しい視点から発信するというコンセプトのもと、江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品を、8人の現代作家の作品と対になるように組み合わせ、一組づつ8つの展示室で構成するものです。

 8つの組み合わせは「花鳥画川内倫子」「刀剣鴻池朋子」「北斎しりあがり寿」「仙厓菅木志雄」「円空棚田康司」「仏像田根剛」「乾山皆川明」そして「蕭白横尾忠則」。国立新美術館で古典を扱うのは初ということです。日本美術の名品については國華社が監修を担当、かつてない古典 ✕ 現代美術の展覧会となります。

  • 右から、しりあがり寿、菅木志雄、棚田康司、皆川明の各氏  記者発表会にて編集部撮影 (2019年12月)

「花鳥画 ✕ 川内倫子」

 中国からもたらされた伝統的な画題の一つ、花鳥図。伊藤若冲らが、はかない命、うつろいゆくものへの深い愛着と情感を込めた作品を残しています。同様の感覚は、さまざまな命の営みを、透明感にあふれた写真にとらえる川内倫子にも通じます。若冲や市川其融、南蘋派の絵師たちの花鳥画と、川内倫子のシリーズ〈AILA〉(2004年)と〈Halo〉(2016年)をあわせて展示。

  • [左] 伊藤若冲《鳥禽図》江戸時代・18世紀 絹本著色 120.0×43.3cm 滋賀県立琵琶湖文化館 展示替え予定あり
  • [右] 川内倫子《無題》シリーズ〈AILA〉より 2004年 Cプリント 作家蔵 © Rinko Kawauchi

「刀剣 ✕ 鴻池朋子」

 本展では、動物の革を縫い合わせた幅24mの鴻池朋子の《皮緞帳》(2015年)に、鎌倉から江戸期にかけての太刀や短刀を組み合わせて展示。

  • [上] 刀 銘 兼房 室町時代・16世紀 鍛鉄製 長さ70.0cm 個人
  • [下] 鴻池朋子《皮緞帳》2015年 牛革にクレヨン、水彩 600.0×2400.0cm 高橋龍太郎コレクション © Tomoko Konoike

「北斎 ✕ しりあがり寿」

 葛飾北斎を敬愛するしりあがり寿は〈冨嶽三十六景〉を現代風に解釈、社会批評的視点やユーモアを加えたパロディ《ちょっと可笑しなほぼ三十六景》(2017年)。本展覧会では北斎の版画とそのパロディのほか、新作の出品も予定されています。

  • [上] 葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》江戸時代・19世紀 大判錦絵 25.2×38.5cm 和泉市久保惣記念美術館 展示替え予定あり
  • [下] しりあがり寿《ちょっと可笑しなほぼ三十六景 太陽から見た地球》 2017年 和紙にインクジェットプリント 32.0×47.0cm 作家蔵 展示替え予定あり

「仙厓 ✕ 菅木志雄」

 江戸時代の臨済宗の僧、仙厓。仙厓が禅の悟りの境地をひとつの簡素な円に託したように、「もの派」の理論と方法論を確立してきた菅木志雄も、その膨大な思考の軌跡を、今ここにあるもの、そのものの在様にシンプルに集約させています。本展覧会で菅木志雄は、仙厓の《円相図》に応答し、《支空》(1985年)を再制作。さらに新作も出品される予定です。

  • [左] 仙厓義梵《円相図》江戸時代・19世紀 紙本墨画 37.0×49.0cm 福岡市美術館(石村コレクション) 展示替え予定あり
  • [右] 菅木志雄《支空》 1985年 ステンレス板、木、石、竹 510.0×570.0×153.0cm 作家蔵 撮影:菅木志雄

「円空 ✕ 棚田康司」

  • [左] 円空《十一面観音菩薩立像》 江戸時代・17世紀 木造 総高221.2cm 岐阜・高賀神社 展示替え予定あり
  • [右] 棚田康司《曲線の女》 2019年 樟材の一木造、オイル、樹脂、スパンコール 159.0×65.5×31.0cm 作家蔵 撮影:宮島径  © TANADA Koji, Courtesy of Mizuma Art Gallery  

 江戸時代の僧、円空は、諸国を巡り約12万体もの仏像を彫ったと伝えられています。簡素な表現のなかに木の生命力を感じさせる円空仏に関心を寄せてきた棚田康夫は、円空同様に一本の木から像を彫り出すことで継ぎ目のない木像を制作してきました。
 本展では棚田康司の旧作から新作までと、円空が木のエネルギーの発露として掘り上げた初期から晩年までの多彩な仏像や神像を展示します。

「仏像 ✕ 田根剛」

 全身を漆箔で覆われ美しく輝く、天台宗古刹西明寺の《日光菩薩立像》《月光菩薩立像》。気鋭の建築家・田根剛は、日光菩薩、月光菩薩に「時間と光」「記憶」など長く取り組んできたテーマを見出し、2軀の菩薩を展示する空間を創造します。

  • [左] 《月光菩薩立像》 鎌倉時代・13世紀 木造 像高144.3cm 滋賀・西明寺
  • [右] 《日光菩薩立像》 鎌倉時代・13世紀 木造 像高141.6cm 滋賀・西明寺
  • 田根剛《エストニア国立博物館》 2006-16年 © Takuji Shimmura | Image courtesy of DGT.

「乾山 ✕ 皆川明」

 江戸時代の陶工・尾形乾山。デザイナーの皆川明。本展では、自然に着想を得た模様、うつわやテキスタイルなどとの内と外とで異なる意匠、平面と立体の感覚の交差など、両者の類似性を浮上させ、優れた想像力が生み出す魅力を提示します。

  • [左] 尾形乾山《銹絵百合形向付》 江戸時代・18世紀 施釉陶器 (各)高5.2cm、口径15.8cm、底径5.8cm  MIHO MUSEUM 撮影:越田悟全
  • [右] minä perhonen《ring flower》 2005-06年 秋冬コレクション

「蕭白 ✕ 横尾忠則」

 江戸時代の絵師・曾我蕭白に魅了され、オマージュを捧げてきた横尾忠則。奇想の絵描きとして強烈な個性を放つ両者は、先達の作品から引用や借用をし、新たな表現に昇華させたことでも共通します。本展では蕭白には珍しい真景図(実在の景色)を含めて、中国故事を描いた屏風など幅広く紹介する他に、蕭白に着想を得た横尾忠則の新作も出品される予定です。

  • 曾我蕭白《群仙図屏風》(左隻)江戸時代・18世紀 紙本墨画淡彩 (各)160.2×175.0cm 2曲1双 東京藝術大学 展示替え予定あり
  • 横尾忠則《戦場の昼食》 1990 / 2019年 カンヴァスに油彩 212.0×178.0cm 作家蔵
  • 横尾忠則《寒山拾得2020》 2019年 カンヴァスに油彩、襖の引手 193.9×112.1×2.0cm 作家蔵

展覧会日程

  • 古典×現代2020ー時空を超える日本のアート
  • 会期:2020年3月11日(水)ー6月1日(月)
    会期中、一部作品については展示替えがあります。
  • 開館時間:10:00-18:00(毎週金・土曜日は20:00、5月30日[土]は[六本木アートナイト2020]開催にともなり22:00まで)
    入場は閉館の30分前まで。
  • 休館日:毎週火曜日、ただし5月5日(火・祝)は開館、5月7日(木)は休館
  • 会場:国立新美術館 企画展示室2E
  • 問い合わせ:03-5770-8600(ハローダイヤル)

展覧会HP

チケット情報その他詳細については、展覧会のHPもご確認ください。

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