照明を落とした会場にミイラ43体 『特別展ミイラ』に行ってきた

世界最大級のミイラを科学する展覧会

撮影:編集部

 国立科学博物館では11月2日(土)より『特別展ミイラ~「永遠の命」を求めて』が開催中です。最新の調査と研究手法を駆使した研究成果を踏まえた展示を特徴とする本展は、南米、エジプト、ヨーロッパ、オセアニア、日本のミイラ、総数43体の展示が予定される、世界最大級の”ミイラを科学する展覧会”です。本展のスペシャルサポーターにはビートたけしさんが就任、そして音声ガイドは大沢たかおさんが担当します。

  • 開幕に先だって開催されてプレス向けの内覧会には、本展スペシャルサポーターのビートたけしさんもご来場。撮影:編集部
  • 取材協力:国立科学博物館
  • 会場内の写真(追記セクション除く)は全て報道内覧会(2019年11月1日)にて編集部撮影によるもの。
  • 記事中の写真、画像、文章等の転載及び引用を全て禁止します。

追記(2020-12-03): 入場者数10万人突破!

左より:国立科学博物館副館長兼人類研究部長 篠田謙一氏、山口沙織さん親子

 12月3日(火)に入場者数10万人を突破、同日に10万人達成記念セレモニーが開催されました。 10 万人達成記念セレモニーに参加した お客様は、千葉県鎌ケ谷
市からお越しの山口沙織さん、母親の 山口真理子さん。お二人には 国立科学博物館副館長兼 人類研究部長の 篠田謙一さんより記念品が贈呈されました。
 お二人は「 元々、考古学やエジプトに興味があ りました。 今日は特に ネコのイラを 是非見てみたいです! 」とコメント。


会場のようすと展覧会のみどころ

 『ミイラには多くの人々を惹きつける力があり、その根源にあるものは、昔に亡くなった人の「姿」がそのまま残っていることに対する驚きではないでしょうか。 自然にミイラとなったものから人工的につくられたミイラまで、南米、エジプト、ヨーロッパなど世界各地のミイラが一堂に会することで、それぞれの背景にある死生観や文化の違いを知ることができます。さらに、昨今の科学技術の進歩によって、ミイラから引き出すことのできる情報も飛躍的に多くなり、学問的な関心も高まっています。本展を通じて、ミイラに関わる人々と最新科学によって明らかになったミイラの実像、文化的・学術的な価値を知ることで、ミイラへの理解を深め、人類がもつ多様な死生観と身体観を考えるきっかけになれば幸いです。 』 (国立科学博物館のプレスリリース)

照明を落とした会場

 「ミイラ」を科学することで人類の死生観を考えるというテーマ通り、会場は照明を落とした雰囲気の会場に世界各国からのミイラが展示されています。

  • このセクションの写真:全て編集部による撮影
日本の即身仏
弘智法印 宥貞 1683年頃 小貫即身仏保存会

ミュージアムショップ

 公式図録の他、ミニオンズ、PARCOとのコラボグッズに加えて、

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子どものミイラの内部が最新の科学技術で明らかに

 リネンを何層にも巻き付けられた、子どものミイラ。CTスキャンを使用した調査の結果、腕の部分に大人の骨を入れるという特殊な処置が施されていることが分かった。

  • グレコ・ロ-マン時代の子どものミイラ ミイラ エジプト グレコ・ロ-マン時代(紀元前38頃‐後59年 ) レーマー・ペリツェウス博物館
    ROEMER- UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM

詳細に描かれた呪文や神の姿 宗教的なシンボルで彩られた人型館

 ミイラを入れる棺は、最初のころは単純な直方体の木の箱であったが、紀元前約4000年前になると、本品のような人型の棺を用いるようになった。棺には死者を死後の世界に送る呪文などが書かれた。

  • ペンジュの棺 木 エジプト 紀元前800年頃 第3中間期、第22王朝~第23王朝 レーマー・ペリツェウス博物館所蔵 ROEMER- UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM

南北アメリカ、古代エジプト、ヨーロッパ、さらにオセアニア/東アジアまで

 展覧会は4章構成。各章は南北アメリカ、古代エジプト、ヨーロッパ、さらにオセアニアと東アジアのミイラをテーマとしています。

第1章 南北アメリカのミイラ より

 古代アンデス文明では文字が残っておらずミイラの背景にある思想的・宗教的背景ははっきりとわかっていません。が、「遺体を保存し、生きているように訪問して敬う」という先祖崇拝の一つの在り方として理解することができます。

  • チャチャポヤのミイラ包み6体 ミイラ、布 ペルー 先コロンブス期、チャチャポヤ=インカ文化 ペルー文化省・レイメバンバ博物館所蔵 ©義井豊
  • それぞれのミイラ包みに描かれている模様が、ミイラとなった人物の特徴や出身地を表していると考えられている。

第2章 古代エジプトのミイラ より

 古代エジプト文明ではヒエログリフという文字のおかげで、歴史や思想が解明されています。有名な『死者の書』によると、古代エジプト人にとってミイラとなることは、来世で幸福に生きるために必要不可欠なものと考えられていました。また、古代エジプト人はさまざまな種類の動物のミイラもつくっていました。イヌ、ネコ、ヒツジ、魚などの動物ミイラは、家族として一緒に埋葬されたり、神々への捧げものであったり、人間のミイラの食べ物とされたり、さまざまな意図でつくられていました。

  • 中王国時代の子どものミイラ ミイラ、リネン エジプト 中王国時代、第11王朝末~第12王朝初頭(紀元前2010年頃-前1975年頃) レーマー・ペリツェウス博物館所蔵 ROEMER- UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM
  • [左] 中王国時代のミイラマスク 彩色された石膏 エジプト 中王国時代、第11王朝末~第12王朝初頭(紀元前2010年頃-前1975年頃) レーマー・ペリツェウス博物館所蔵 ROEMER- UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM
  • [中] 男性のミイラ(頭部) ミイラ エジプト グレコ・ローマン時代(紀元前200年頃-紀元後70年頃) ライス・エンゲルホルン博物館所蔵Reiss-Engelhorn-Museen Mannheim
  • [右] ネコのミイラ 動物のミイラ、リネン エジプト グレコ・ローマン時代(紀元前2世紀か前1世紀頃) レーマー・ペリツェウス博物館所蔵 ROEMER- UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM

第3章 ヨーロッパのミイラ より

 ヨーロッパ各地でも多数のミイラが発見されているが、その多くは自然ミイラに分類されます。そのなかでも、北ヨーロッパに点在する湿地では、驚くべき保存状態を示すミイラが発見されていて、これらは湿地遺体(ボッグマン)とよばれています。ウェーリンゲメン(WeerdingeCouple)は1904年に発見された2体の湿地遺体で、紀元前40年から紀元後50年前と推定されています。

  • ウェーリンゲメン ミイラ オランダ、ドレンテ州、ブールタング湿原 紀元前40年頃~紀元後50年頃 ドレンテ博物館所蔵 Collection Drents Museum, Assen, The Netherlands.

第4章 オセアニアと東アジアのミイラ より

 オセアニア、東アジア地域はミイラの保存にとって適した環境であるとは言い難く、現存するミイラも少ないため、その実状はよくわかっていません。また、中国でも自然ミイラは多数発見されていますが、生前の姿を残すことを目的とした文化はほとんど存在していません。
 日本の気候は高温多湿で土壌も酸性が強く、人骨まで溶けてしまう場合が多のですが、これまでに江戸時代の遺跡からは自然ミイラが数体発見されています。また、日本には仏教思想に基づき即身成仏を切望した行者または僧侶のミイラのことを「即身仏」として崇拝の対象とする考えがあり、現在でも大切に保存がなされています。

  • 肖像頭蓋骨 頭蓋骨 パプアニューギニア 19世紀 レーマー・ペリツェウス博物館所蔵 ROEMER- UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM

開催概要

入場料、各種割引等の詳細につきましては公式サイトをご確認ください。

  • 特別展ミイラ ~「永遠の命」を求めて
  • 国立科学博物館(東京・上野公園)
  • 2019年11月2日(土)~2020年2月24日(月・祝)
    • 午前9時〜午後5時(金曜・土曜は午後8時まで)
    • 休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)および12月28日(土)〜1月1日(水・祝)
    • ※ただし2月17日(月)は開館
    • ※入場は各閉館時刻の30分前まで
    • ※開館時間や休館日等は変更になる場合があります。
  • https://tbs.co.jp/miiira2019/
  • 主催:国立科学博物館、TBS、日本経済新聞
  • 共催:BS-TBS、凸版印刷、ローソンエンタテインメント
  • 後援: TBSラジオ
  • 協力:ルフトハンザ カーゴAG
  • お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

公式Twitter: @miira2019

巡回情報

熊本、福岡、新潟、富山への巡回展が予定されています。

  • 熊本:熊本城ホール、福岡:福岡市博物館 、新潟:新潟市立新津美術館、富山:富山県民会館美術館

常設展示「江戸時代壮年女性のミイラ」もチェック!

 国立科学博物館の「日本館2F北翼 日本人と自然」では谷中三崎町遺跡(東京都)出土の「江戸時代壮年女性のミイラ」が常設展示されています。

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