京都国立博物館の2019年春の特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」みどころ紹介

「国宝 一遍聖絵」全12巻を公開決定!

京都国立博物館(京都・東山七条)の春の特別展示、特別展 時宗二祖上人 七百年御遠忌記念「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」の開催が先日発表となりました。会期は2019年4月13日(土)から6月9日(日)。踊り念仏で知られる時宗は、宗祖一遍(1239~1289)が鎌倉時代に開いた宗派です。一遍は念仏をとなえることで誰もが往生をとげられると説き、全国を行脚して念仏札を配り、布教につとめました。この時宗を教団として整備し、大きく発展させたのが、一遍の教えを引き継いだ二祖真教(しんきょう、1237~1319)でした。本展覧会は、2019年に真教の七百年遠忌を迎えることを記念し、時宗の名宝をご紹介する展覧会となります。

記者会見のようす(2018年10月23日)

記者会見の会場は大正大学(東京都豊島区)。仏教連合大学として設立された同大の仏教学部仏教学科には、2019年度より天台宗、真言宗豊山派・智山派、浄土宗に加え、時宗を学ぶコースが開設されます。

国宝「一遍聖絵」は描かれている内容こそがまさに国宝であり、高僧伝ではなく中世の日本を知ることをできる大変貴重な資料でもあります。(大正大学 大塚伸夫 学長、報道発表会より)

展覧会のポイント

  1. 国宝「一遍聖絵」、全12 巻を一堂に公開!
  2. 知られざるニ祖真教えの功績を紹介
  3. 時宗寺院に伝えられた名宝を一挙公開

念仏を広めるために日本各地を遊行し、多くの人々に救済を施した一遍。没後、その生涯は12 巻に及ぶ絵巻物に描かれました。これが鎌倉時代の国宝「一遍聖絵」です。美しい絵具で彩られた山水や寺社、踊り念仏に集う人々はひとりひとり異なる表情で描かれている日本美術史のなかで屈指の名品。本展ではこの国宝「一遍聖絵」が全巻公開されます。

時宗は当時の都市型の宗教でもあり、大都会であった京には多くの時宗の道場があります。にも関わらず、今まで京都では時宗の総合的な大規模展覧会はこれが初めてということになります。関西において国宝「一遍聖絵」12巻の全巻を一挙公開するのは修理完成を記念して展示して以来17年ぶり、また現時点での暫定の出品総数は134件(うち国宝3件、重要文化財34件、重要美術品2件)、点数にして200点を超える見込みとのことです。

展覧会の構成

本展の構成は全5章、時宗の源流から一遍に至るまでを俯瞰する「浄土教から時宗へ」より始まり、国宝「一遍聖絵」の他、歴代上人や道場に関連した名宝が一挙に公開されます。一部の展示作品について画像でご紹介します。

1章 浄土教から時宗へ

時宗の宗祖、一遍(1239~89)。時宗の源流には阿彌陀佛信仰、あるいは日本で展開した浄土教があります。この章では時宗の源流に関わる作品の紹介により、一遍に至るまでの流れを俯瞰できます。

2章 時宗の教え 一遍から真教へ

一遍は、各地を遊行して、賦算(ふさん)や、踊り念仏などと通じ、庶民からの信仰を集めます。一遍は遊行を自身一代限りと考えていたようですが、二祖真教はその跡を継ぎ、教団の組織化をはかりました。2章では両上人の肖像やゆかりの品、遊行上人の足跡を偲ばせるような作品などから、時宗初期の様相と信仰の姿を見ることができます。

重要文化財 《遊行上人縁起絵》(部分)
鎌倉時代、兵庫・真光寺蔵、
通期(巻替あり)

重要文化財 《真教上人書状》
鎌倉時代、京都・長楽寺蔵、半期

3章 国宝 一遍聖絵の世界

正安元年(1299)、聖戒(しょうかい)が著述し、絵師 円伊によって制作された、鎌倉時代の国宝「一遍上人絵」。珍しい絹地の絵巻物であり、やまと絵と漢画の技法の融合で描かれた中世日本の壮大な風景と細密な描写には見れば見るほど引き込まれる魅力があります。京都国立博物館ならではの長い展示ケースでの展示により、その画面の長大さをいっそうに体感することができるそうです。また、全巻が一堂に会するのは関西ではなんと17年ぶり!

国宝 《一遍聖絵》(巻2、部分)
円伊筆、鎌倉時代、神奈川・清浄光寺(遊行寺)蔵、
通期(巻替あり)

国宝 《一遍聖絵》(巻3、部分)
円伊筆、鎌倉時代、神奈川・清浄光寺(遊行寺)蔵、
通期(巻替あり)

国宝 《一遍聖絵》(巻6、部分)
円伊筆、鎌倉時代、神奈川・清浄光寺(遊行寺)蔵、
通期(巻替あり)

国宝 《一遍聖絵》(巻12、部分)
円伊筆、鎌倉時代、神奈川・清浄光寺(遊行寺)蔵、
通期(巻替あり)

4章 歴代上人と遊行 時宗のひろまり

時宗祖師像の中で、年代の明確なものとしては一番古い像である「真教上人坐像」のほか、歴代上人の肖像や墨跡が紹介されます。

重要文化財 《真教上人坐像》
鎌倉時代、神奈川・蓮台寺蔵、通期

5章 時宗の道場とその名宝

時宗では寺院を道場と呼びますが、それら時宗道場のなかで、藤沢および京都・滋賀の道場に伝えられた名宝が紹介されます。また、近世の時宗道場を描く洛中洛外図も展示されます。

重要美術品 《薄鶉蒔絵文台》
室町時代、京都・金蓮寺蔵、通期

国宝 《洛中洛外図屏風(舟木本)》右隻
岩佐又兵衛筆、江戸時代、
東京国立博物館蔵、5/28~6/9

開催概要

項目 内容
展覧会名 特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」
会期 2019年4月13日(土)から6月9日(日)
会期中、一部作品の展示替あり
開館時間 午前9時30分から午後6時まで
金・土曜日は午後8時まで
(入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日(ただし、4月29日と5月6日は開館)、5月7日(火)
主催 京都国立博物館、朝日新聞社、時宗、時宗総本山浄光寺(遊行寺)

観覧料

  • 前売り券の販売期間は2019年2月21日(金)から4月12日(金)
料金 一般 大学生 高校生
当日 1,500 1,200 900
前売り・団体料金 1,300 1,000 700

※団体は20名以上/中学生以下無料、障害者とその介護者1名は無料(要障害者手帳などのご提示)/キャンパスメンバーズは500円引き(要学生証または教職員証のご提示)