「半端ないって」「そだね」は選外!「今年の新語2018」選考発表会レポ

    画面上部のスクリーン席順の左より 古賀及子(デイリーポータルZ)/山本康一(三省堂『大辞林』編集部編集長、「今年の新語2018」選考委員)/瀧本多加志(三省堂出版局長、「今年の新語2018」選考委員)/北川悦吏子(脚本家、映画監督、エッセイスト)/小野正弘(『三省堂現代新国語辞典』編集委員、「今年の新語2018」選考委員)/飯間浩明(『三省堂国語辞典』編集委員、「今年の新語2018」選考委員) ※敬称略 撮影:編集部

大賞は「ばえる」に決定!三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2018」 選考発表会に行った

編集部撮影

2015は「じわる」、2016の「ほぼほぼ」、そして2017は「忖度」でした。今年の大賞は果たして?12月5日、三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2018」の選考結果が発表されるということで、選考発表会を取材してきました。会場はイッツコムが運営するイベントハウス型飲食店「東京カルチャーカルチャー」(渋谷)。三省堂の「今年の新語」は、この2018年を代表する言葉(日本語)で、一過性でない、今後の辞書に掲載されてもおかしくないものを、辞書のプロフェッショナルである選考委員が公平・公正な観点から厳正に選考するという点が特徴。選ばれるのは、あくまで「今年特に広まったと感じられる新語」であり、必ずしも「今年生まれた言葉」ではないということで、辞書のプロらしい視点からのセレクションが注目されます。

登壇者の方々

    席順の左より 古賀及子(デイリーポータルZ)/山本康一(三省堂『大辞林』編集部編集長、「今年の新語2018」選考委員)/瀧本多加志(三省堂出版局長、「今年の新語2018」選考委員)/北川悦吏子(脚本家、映画監督、エッセイスト)/小野正弘(『三省堂現代新国語辞典』編集委員、「今年の新語2018」選考委員)/飯間浩明(『三省堂国語辞典』編集委員、「今年の新語2018」選考委員) ※敬称略 撮影:編集部

スペシャルゲスト・脚本家の北川悦吏子さんは、1995年に「チャラ男」を最初に使ったというエピソードも。NHK連続テレビ小説『半分、青い。』にもこの言葉が登場しており「自分が作ったという自負があるんですー」とも。

「今年の新語2018」 選考結果

三省堂 プレスリリースより

  • 1位 ばえる(映える)
  • 2位 モヤる
  • 3位 わかりみ
  • 4位 尊い
  • 5位 ブイ チューバー(VTuber)
  • 6位 肉肉しい
  • 7位 マイクロプラスチック
  • 8位 寄せる
  • 9位 スーパー台風
  • 10位 ブラックアウト

ばえる(映える)

流行語大賞(ユーキャン)の「そやねー」「半端ないって」は選外となり、大賞は「ばえる」(映える)に。2010年代末よりの「SNS映え」「インスタ映え」のような言い方から「ばえ」を切り出したもの。昨年入選を逃した「インスタ映え」という言葉が記憶に新しいですが、その後部要素である「映(ば)え」が独立した動詞となり、「ばえる」という形で一般化するという新展開を見せました。切り出してたことで「ばえ」だけでなく、「ばえばえ」「ばやしにいく」「ばえない」「ばえた」など自由に使えるように。さらに「ばえみがある」などに展開していくかも?とのこと。白に黒が「映える」の場合、まわりに対して引き立つという形で使うが、「ばえる」は対象が不要のため独立的に使えるのが特徴で「SNS社会での美的感覚を象徴する新語」(三省堂さんの公式プレスリリース)ともいえます。

モヤる

2位のモヤるは、「いやだ」といわずにモヤモヤするとくるむ感じの飯間先生イチ押し?の言葉。従来の「もやもやする」の意味から、不満、反感、怒りなども含めた、負の感情を婉曲的に表現する用法で、2010年代に広まって、近年非常に使われてるとのことです。強めの感情をオブラートに包むことでネット上での衝突を避けられるということですね。個人的には最近クライアントさんが使ってまして、思えばすごい怒られていたのですね…。

わかりみ

3位の「わかりみ」。北川さん的には1位にしたい言葉とのこと。「わかりみがすぎる」「わかりみが深い」のように動詞「わかる」を主体的にすることで意味が具現化。「わかりみがありすぎてつらい」などなど…。「つらみ」「うれしみ」などの接尾語「○○み」が形容詞につく場合にとどまらず、「わかりみが深い」「ラーメン食べたみが強い」「髪型の武田鉄矢みがすごい」などにも用法が拡大しつつあるようです。

そして選外

  • 半端ないって
  • そだね

募総数2315通中1、2位の言葉だったとのことですが、辞書としては既に載っている言葉であり、新語という意味合いでははふさわしくない。「そだね」は「そう、だね」であるが、感動詞化することで日常で使われ出すと新語になる可能性もあるということです。こちらについては三省堂さんのプレスリリースを引用します。

一方、一般公募で最も投稿数の多かった「半端ないって」は、「半端ない」が一部の国語辞典にすでに掲載されているため、惜しくも選外となりましたが、感動詞的な「○○って」の用法に、誰がなんと言おうとも、というニュアンスが感じられるところに新しさが見られました。次に投稿数が多かった「そだねー」は、全国的に広まったものの、単純な連語のため辞書の見出しには立ちにくく、残念ながら選外となりました。

フリートーク、第二部「国語辞典ナイト」

ベスト10発表後のフリートークでは、飯間先生は「朝ドラガチ勢」で朝ドラからの用例採集も行っているそうで、「了解いたした」や「きりんになって待ってる」など、「半分青い」に登場した印象的な台詞についての話題などで盛り上がりました。さらに第二部で「国語辞典ナイト」では「ディグる」「ナムる」などの言葉が「国語辞典ナイト」の選んだ2019年(2018年ではなくて)の新語の発表や、2018年10月16日に発売になった「沼」「草」「バズる」などを掲載した「三省堂現代新国語辞典 第六版」がネットでまさに「バズって」いるという話題も。

「三省堂現代新国語辞典」の見出し語に載っているかどうかのドボンクイズ。なんと小野先生もアウト!「ヌーブラ」は載ってるけど「カピバラ」は載っていないらしいです…。
編集部撮影

(取材協力:三省堂さま、東京カルチャーカルチャーさま、 ありがとうございます!)

会場の「東京カルチャーカルチャー」について

今回の会場の東京カルチャーカルチャーは「あらゆるものをイベントに!」をコンセプトに「ココでしか体験できないイベント」を連日開催するイベントハウス型飲食店。年間400本以上ものイベントを開催しています。

関連記事

amazon