国産第1号のブルドーザーの数奇な運命 「日本を変えた千の技術博」(国立科学博物館)

画面の左:「ミルバーン電気自動車」 所蔵:国立科学博物館
その奥:「コスモスポーツ」 所蔵:国立科学博物館

「日本を変えた千の技術博」(国立科学博物館)開幕!

国立科学博物館(東京・上野公園)で10月30日(火)より開催中の、特別展 明治150年記念「日本を変えた千の技術博」。あのエジソンが明治天皇に献上した蓄音機「エジソン クラスM」や高度成長期に作られた世界で初めて量産車としてロータリーエンジンを搭載したスポーツカー「コスモスポーツ」など、明治から平成に至るまでの日本の科学・技術の発祥と足跡を示す科学・技術遺産が空前の規模で集合するという。この秋冬、編集部的にもイチオシの展覧会と自信を持っておすすめできる。

多くのみどころがある中で、今回は会場後半のハイライトの1つ、「コマツ ブルドーザーG40」とその数奇な運命を紹介したい。

昭和のはじめは人海戦術だった!

小松製作所製 「コマツ ブルドーザーG40」(画面右)は第7章に展示

昭和が始まる頃の日本にはブルドーザーのような大型の土木機械はほとんど導入されていなかった。道路がまだ発達していなかったことや人海戦術が当然とされていたため、発電所建設レベルの大規模な工事でない限り不要だったという背景があったようだ。昭和期に外国の技術が入って来るに従い、これらの土木機械も試験的に導入されるようになる。

コマツ ブルドーザーG40

国産初のブルドーザー、小松製作所製 「コマツ ブルドーザーG40」(小松1型均土機)。

もともとトラクターとして作られたものを改造したため、押土ブレードを外すとそのままトラクターである。第二次世界大中、飛行場建設の目的で、国からの要請により小松製作所により急遽開発された。ガソリン機関のトラクターの前面に土を押すブレードを装着し改造したものであり、油圧方式の採用は画期的であった。

フィリピンの海中からオーストラリアへ

この「コマツ ブルドーザーG40」、第二次大戦中はフィリピンで稼働していたが、終戦後アメリカ軍により接収され、フィリピン沖の海中に投棄されてしまう。だが浅瀬だったこともあり船の航行に邪魔になるとされ、後日引き揚げられたところ、なんとまだエンジンがかかり運用可能だったため、長年オーストラリアの農場で働くこととなる。

35年ぶりの帰国は、なんと船から自走で!

1979年(昭和54年)に小松製作所がこのG40を発見し買い取り、同年、実に35年ぶりに日本に日本に帰還することに。驚くべきことに、かつて海中に投棄され、その後30年以上も異国の地で稼働していたにも関わらず、帰国時も船から自走して降りてきたということである。まさに日本の機械のタフさを示すエピソードといえよう。

「コマツブルドーザーG40」 所蔵:コマツ
後方からの写真

「コマツブルドーザーG40」 所蔵:コマツ

キャタピラの車輪部分の写真

他にもみどころがたくさん

技術は人間であり、人間が技術を作っていく。そこには無数の人間やモノ達のドラマが存在しているのである。特別展「日本を変えた千の技術博」では、この「コマツ ブルドーザーG40」以外にも明治以降の日本を支えて来た技術の裏側にまつわるエピソードに多数触れることができる。単に科学・技術遺産の展示というだけではなくそういったドラマも是非楽しんで欲しい。

開催概要

※今後の諸事情により開館日、開館時間等について変更する場合があるため、公式サイト等でご確認ください。

項目 内容
展覧会名 特別展 明治150年記念「日本を変えた千の技術博」
開催期間 2018/10/30(火)~2019/3/3(日)
開館時間 午前9時~午後5時
金曜日、土曜日、
10/31(水)、11/1(木)は午後8時まで
※入場は各閉館時刻の30分前まで
休館日 毎週月曜日
12/28(金)~1/1(火・祝)
1/15(火)、2/12(火)
(12/24(月)、1/14(月)、2/11(月)、2/25(月)は開館)
会場 国立科学博物館(東京・上野公園)
〒110-8718東京都台東区上野公園7-20
主催 国立科学博物館、日本経済新聞社、BSジャパン
後援 文部科学省、内閣府、日本化学会、日本機械学会、情報処理学会(順不同)
協賛 NEC、島津製作所、セイコーホールディングス/セイコーウオッチ、
ニコン、桃谷順天館/明色化粧品、安川電機(五十音順)
協力 旭化成、宇宙航空研究開発機構、宇部市石炭記念館、NTT技術史料館、
コマツ、産業技術総合研究所、山陽小野田市歴史民俗資料館、
順天堂大学日本医学教育歴史館、新日鐵住金八幡製鐵所、
セルロイドハウス横濱館、ソニー、第一三共、鉄道総合技術研究所、
テレビ東京、電気学会、東京工業大学博物館、東京大学工学・情報理工学
図書館、東京大学工学部電子情報工学科電気電子工学科、
東京大学総合研究博物館、東京電力ホールディングス電気の史料館、
東京農工大学科学博物館、東芝、東北大学、東レ、日経サイエンス社、
農業・食品産業技術総合研究機構、ミズノプリンティングミュージアム、
郵政博物館(五十音順)
問い合わせ先 03-5777-8600(ハローダイヤル)
FAX:03-5814-9898
公式サイト http://meiji150.exhn.jp/

入場料

チケット販売所:国立科学博物館(休館日を除く)、イープラス、ローソンチケット、チケットぴあ、セブンチケット、その他各プレイガイド、また本展公式サイトからも電子チケットを販売。

入場料(税込) 当日券
一般・大学生 1,600円
小・中・高校生 600円
金曜・土曜限定ペア得ナイト券 2名様1組2,000円
※会場での当日販売のみ


※本券で本展を観覧された方は、同日に限り常設展(地球館・日本館)もご覧いただけます。
※未就学児無料※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名様は無料。
※ペア得ナイト券は、会場での当日販売のみ、金曜日・土曜日の午後5時以降、2名様同時入場、最終入場は午後7時30分

取材協力

  • 国立科学博物館 様

この記事は特別展 明治150年記念「日本を変えた千の技術博」の報道内覧会での取材をもとに構成しています。
記事内の写真は全て報道内覧館にて編集部の撮影によるものです。

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